こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
現在では「リモートワーク」という言葉が当たり前に使われていますが、9年も前からそれを実現している会社が香川県にあります。
今回は株式会社テリムクリの代表を務める牛尾 隆さんにインタビューしてきました。
目次
株式会社 テリムクリの牛尾 隆さんについて
今回インタビューさせていただいた牛尾 隆さんは株式会社テリムクリという会社を経営しています。
こちらが牛尾さん。
その牛尾さんの経営する株式会社テリムクリはWEBサイト制作会社です。
具体的には、こちらのような業務をしています。
全スタッフが「遠隔勤務」!?
牛尾さんの会社はWEB制作のレベルも高いのですが、わたしが今回どうしても取材をしたかったのはそこではありません。
牛尾さんの「働くこと」に関する考え方と、実際に運営している会社の運営方法に惚れたからです。
従業員が7名いて、全員が遠隔で勤務しているのです。
香川県の会社でこんなことをしているところなんて、聞いたことがありません。
今でこそ「リモート勤務」「リモートワーク」というふうに呼ばれるほどになりましたが、社員全員が完全リモートで働いている会社はまだすくないと思います。
しかも9年も前からです。
従業員の方の中には大阪在住の方もいらっしゃるそうです。……というかこのインタビューをした日にスペインに旅行に行っているスタッフの方もいました(笑)。
21世紀だが「働き方」だけ時間が止まっている
ヨス
IT企業でキャリアを積んできて会社を立ち上げたそうですが、どんな想いで独立したのですか?
牛尾
長年、IT企業で働いてきて、なんかしっくりこない感がずっとあったんです。
現在ではクラウドやスマホのようにさまざまなツールが進歩しているのに、働き方だけ時間が止まったままだなと。
ヨス
「インターネットがあるのに同じ場所に集まって働かなくてもいいんじゃないか?」ということでしょうか?
牛尾
そうですね。今の時代、場所や時間に縛られて働くのってバカバカしいなと思うんです。
特にWEB関係の業種は。はっきり言って、家でも海外でもカフェでもどこでもできますよね。PCやスマホがあればできますから。
ヨス
すごく共感します。牛尾さんは、自宅以外でPCをさわることは多いですか?
牛尾
僕の場合は職種的に取引先での商談や打ち合わせが多いので、自宅だけじゃなくカフェで仕事をすることも多いですね。
あと、旅行好きのスタッフもいますが、どこにいてもネットさえつながれば仕事にはまったくさしつかえないんですよね。本当にいい時代になったものです。
家で働くことにはメリットがある
ヨス
働く場所が家と会社では、どのような違いがありますか?
牛尾
まず自分が好きな環境で仕事をするのは、単純に集中できますよね。
集中できるということは、生産性が高くなるということ。逆に言うと、集中できない場所に通勤する時間と交通費を払ってまで移動して、パフォーマンスも落とすなんて合理的じゃないですよね。
「場所に縛られない働き方のメリット」をまとめると、次のとおりです。
ヨス
自宅で働くメリットはけっこう多いですよね。わたしも、子どもとふれあう時間が増えるのは重要だと思っています。
牛尾
仕事やプライベートの垣根なく日常生活の充実が「よいアウトプット」を生むと思うんです。
コンピュータの前に座っているだけではクリエイティブな仕事はできないんですよ。
自宅勤務で気をつけていること
ヨス
家で仕事をするときに気をつけていることはありますか?
牛尾
はい。仕事とプライベートの垣根は要らないと思いますが、切り替えはあったほうがいいと思うので、書斎に入るときには着替えています。
着替えて1分もかからないうちに仕事場に入れるのは、いまだに幸せだなあと思いますね。忙しいときなんかはとくに。
ヨス
残業に関してはどうでしょうか? クリエイティブ系の仕事だと1日8時間という枠では収まらなかったりしますよね?
牛尾
そうなんです。それは業種の特性上しかたがないんですよね。そもそもWEB制作には「業務時間」という枠が作りにくいんです。
たとえば、WEBサイトのデザインを考えるにしても、トイレでいいアイデアが浮かぶこともあるし、ショッピングに行ったときに浮かぶこともある。業務時間をひとくくりにできない業種だと思います。
それでも会社勤務での「拘束される残業」とはかなり違いますね。部屋を一歩出れば子どもと会えるし、もし仮に12時間勤務をするにしてもこの差は大きいです。
ヨス
だからクリエイティブな業種は残業代がつきにくく、サービス残業になりがちですよね。
だからこそ給与に反映されているべきですが、こんな時代なのでそこまでたくさんもらえるわけでもないですし。
牛尾
そうですね。でもうちの社員たちはみんないい仕事をしてくれているので業績も好調です。ありがたいことに。
なのでそのぶん、同じ規模の他企業さんと比べると給料は多いと思っています。交通費も支給しなくてもいいですし、ムダを極限まで削減できているのでそれを給料に還元もできています。いいことばかりですよ。
でも遠隔とはいっても社員扱いなので、しっかりと社会保険とかも完備しています。遠隔勤務でも一般的な会社の正社員と変わらず安心でかつ、時間や場所に縛られず自由に働ける環境です。
ヨス
「能動的な働き方」ができているのがすばらしいですね。場所的な束縛だけでなく「時間的な束縛」からも開放されているという。
牛尾
そうですね。たとえば仕事の途中でぬけて家族といっしょにご飯も食べられるし、気分転換に散歩に行ったり子どものお迎えに行ったりもできる。
自分で仕事をする時間も含め、能動的に生活できるんです。夕方は食事の用意や子どもの世話が大変なので、その時間は仕事から離れる。子どもが寝てから仕事に戻る……のようなフレキシブルな働きかたはふつうに働いていては味わえないことです。
ヨス
「家庭の時間」「仕事の時間」が切り離されているのではなく、生活の中の一部に仕事がある……という感覚ですよね。
牛尾
ですね。さきほども言いましたが、仕事やプライベートの垣根なく「日常生活の充実」がよいアウトプットを生むと強く感じています。
僕はこういう働きかたを社内でやってきて、プライベートが充実しているとクオリティの高いものを生み出せると強く実感していますね。
コミュニケーションはしっかりと!
ヨス
遠隔で共同作業をするときに気をつけていることってありますか?
牛尾
もちろんあります。週に1回はオンラインでのミーティングを欠かしません。
それと2週間に1度は会議室を借りて実際に集まって話し合いをします。オンラインの時代ですが、対面でのコミュニケーションは絶対に欠かせないですね。人間同士ですから。
ヨス
やはりコミュニケーションは大事なんですね。
牛尾
定期的な会議のほかにも、細かい調整に関してはオンラインでよく話をしています。
ヨス
ほかに遠隔で共同作業をするコツはなんでしょうか?
牛尾
まず、オンラインでできるWEBサービスをフル活用することですね。
Kintone(キントーン)はとくに便利で、これがないとやりとりが大変です。
「Kintone」は「サイボウズ」のWEBサービスで、クライアントごとのタスク管理などができます。
ほかにはこちらのようなサービスを利用しています。
ヨス
使っているサービスがわたしと完全に一致しています(笑)。
牛尾さんの今後の展望
ヨス
今後の展望についてお聞かせください。
牛尾
独立した理由が「現代の働き方についての疑問」が根底にあったと言いましたが、こういう「場所」や「時間」にしばられない環境で仕事をできる仲間を増やしていきたいですね。
実は事業を急速に拡大することよりもこちらを強く思っています。
ヨス
わたしもそういう働きかたをしている者の1人として同じ想いです!
牛尾
それと何度も言っている気がしますが、テクノロジーの発達で働き方はもっと選択肢があってよいはずなんです。とにかく思考停止せず、多様性を受け入れいろんなことにチャレンジしていきたいです。
そして、そんな文化を香川から全国に根付かせていけたらなぁというのが夢です。
【おまけ】牛尾さんは香川県でのフットサル活動においてもパイオニア
こんな前衛的な「働き方」を取り入れている牛尾さんですが、実はもう1つ香川県ではパイオニア的なものがあります。
それがフットサルです。
実は2000年ごろ、香川県で誰もフットサルをやっていなかったころにフットサルチームを県内ではじめて作りました(友人と2人で)。それが「プラセール」というチームです。
今では県リーグのチームで昇格し、四国リーグにも出場しています。元・カマタマーレ讃岐(香川県のプロサッカーチーム)の選手もいる強いチームに育っています。
まだ誰も香川でフットサルをやっていなかった時代に、パイオニアとしてフットサルを先導していった構図と、現在の牛尾さんが「新しい働き方」を先導している構図がダブって見えますね。
牛尾さんの唱える「新しい働き方」は間違いなく広がっていくと確信しています。
まとめ
香川県で前衛的な働き方をしている牛尾 隆さんにインタビューしましたが、共感する内容ばかりでした。
コロナウィルスがきっかけでリモートワークが広がりましたが、コロナ禍が抜けるとリモートワークの話題も聞くことが減ってきました。
牛尾さんの会社だけでなく、さまざまな会社でリモートワークは効果的だと思うので、ぜひ定着してほしいです。
なお、牛尾隆さんの会社「株式会社 テリムクリ」の公式サイトはこちらです。