讃岐うどんの「あつひや」「ひやあつ」の違いとは? 香川県民が解説します!

「ひやあつ」と「あつひや」の違いとは?
ヨス

執筆者

香川県丸亀市在住。香川で生まれ、育ったブロガー。2013年に始めたブログ「ヨッセンス」は月に100万回読まれるブログに。香川県の楽しいところ、美味しいものを紹介します。著書『効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術』『読まれる・稼げる ブログ術大全』。

こんにちは! 今日も讃岐うどんが美味い! 香川県丸亀市のブロガー ヨス(プロフィールはこちら)です。

香川県にあるうどん屋さんでは、こんなメニューを見かけることがあります。

あつあつ・あつひや・ひやあつ・あつあつ
「あつあつ・あつひや・ひやあつ・あつあつ」ってなに?

うどん屋のメニュー

  • あつあつ
  • ひやひや
  • あつひや
  • ひやあつ

もしかしたら、丸亀製麺や、はなまるうどんのように全国展開しているうどん屋さんでも見るかもしれません。

結論から言うと、次のとおりです。

麺と出汁の温度の組み合わせメニュー
あつあつ +出汁
あつひや +出汁
ひやあつ +出汁
ひやひや +出汁

今回は、香川県民のわたしがひやあつあつひやの違いについて詳しく紹介します!

【前提】「あつあつ」と「ひやひや」のネーミングの秘密

県外の人が見て一番混乱するのは「ひやあつ」と「あつひや」というメニューです。

このほかに、「あつあつ」と「ひやひや」というメニューもあるので、まずはこちらから紹介しましょう。

そのほうが理解しやすいので!

まず、「あつあつ」は、麺も出汁も熱いうどんのことを指します。

山とものかけうどん
山とものかけうどん(あつあつ)

そして、「ひやひや」というのは麺も出汁も冷たいうどんメニューのことです。

最強のよしやの麺
よしやの ひやひや

「出汁も冷たいの?」と驚かれるかもしれませんが、夏場はこれが最高なんですよ。

お店によっては「ひやかけ(うどん)」という名前で出されています。

ここで「あつあつ」と「ひやひや」というネーミングに次のような疑問が出てきたかもしれません。

なんで2回繰り返すの?!

実は、次のような理由があります。

あつあつ・ひやひやの名前の秘密
あつあつ・ひやひやの名前の秘密

そうです。無意味に2度繰り返しているのではなく、最初の「あつ / ひや」は麺の温度、2度目の「あつ / ひや」は出汁の温度を指していたのです。

「ひやあつ」と「あつひや」はどういう意味?

さて、今度は「ひやあつ」と「あつひや」のネーミングについてですが、もうおわかりですよね?

図にすると次のとおりです。

「ひやあつ」と「あつひや」とは?
「ひやあつ」と「あつひや」とは?

「ひやあつ」というのは、「ひや(冷たい麺)」を「あつ(温かい出汁)」 に入れる食べ方。

冷たい麺
冷たい麺

対して、「あつひや」というのは「あつ(温かい麺)」を「ひや(冷たい出汁)」に入れて食べる食べ方です。

温かい麺
温かい麺

ややこしいですよね(笑)。

はじめて聞くと「どっちもおなじやろ!」と言うと思いますが、これが違うんですよ。

見てくださいよ、この下の写真!!

左: あつひや・右: ひやあつ
左: あつひや・右: ひやあつ

いっしょやん!(笑)

ハイ。見た目は同じです(よく見ると湯気とか麺の雰囲気が違いますが)。

「ひやあつ」と「あつひや」の味の違い

名前の定義としては違いが伝わったと思いますが、名前よりも気になるのは味ですよね。

「ひやあつ」「あつひや」と分けるほどの違いがあるのか?

「ひやあつ」=「コシの強さを楽しむかけうどん」

「ひやあつ」は麺が冷たいです。

冷たい麺
冷たい麺

そのため、温かい出汁の中でも麺が伸びにくい」という特徴があります。

コシが強く温かいうどんを食べたいときはこれに限ります

あと、出汁が温かい分、いりこの香りがよく出ます。讃岐うどんのスタンダードと言ってもいいですね。

「あつひや」=「ぬるいかけうどん」

それに対し、「あつひや」はうどんが温められていて、冷たいつゆに投入されます。

温かい麺
温かい麺

そのため、麺は「ひやあつ」より柔らかいです。

こちらはうどんの予熱で冷たい出汁が温かくなってくるようなイメージ。

なので、あつひやを一言で言うと「ぬるいうどん」ですね。

お店によってはそのまんま「ぬるいうどん」や「ぬるめ」というネーミングのこともありますよ!

そのため、子どもにとってすごく食べやすく、出汁も最後まで飲みやすいという特徴があります。

「あつひや」と「ひやあつ」の食べ比べなんて讃岐人でも初めて!
「あつひや」と「ひやあつ」の食べ比べ

では、「あつひや」と「ひやあつ」のどちらがオススメなのでしょうか?

完全に好みの問題です。

コシを求めるなら「ひやあつ」、もしくは「ひやひや」に限りますね。

熱いうどんが苦手な場合は「あつひや」がオススメということです。

最大限に麺の熱い「あつあつ」について

前述した「あつあつ」について、もう少し補足しましょう。

「あつあつ」とは「熱い麺」+「熱い出汁」のことです。

でも、「熱い麺」とは言っても、一度冷やしている麺を温め直す場合がほとんど。

なぜなら、多くのうどん屋では、お客さんが来たときにすぐにうどんを出せるように、一度茹でた麺を冷やして置いておくからです。

宮川製麺所のうどん玉
うどん玉が置いてある

そのため、極限まで麺が熱い「あつあつ」を楽しみたいなら、釜揚げうどんを頼みましょう。

釜あげうどんとは、うどんを茹でて100度で沸騰した状態(つまりめっちゃアツアツ)をそのまんま茹で汁とともに器に入れてくれるメニューです。

寒い日はホカホカの釜あげうどんですよねー
寒い日はホカホカの釜あげうどんですよねー

普通はこれをつけ麺として「熱い出汁」につけて食べます。

普通のうどんとの違いは次のとおりです。

「普通の温かいうどん」と「釜揚げうどん」の違い
普通の温かいうどん 一度冷やした麺を再度温めてから出される。温度は70度ぐらいになる。
釜揚げうどん 沸騰した麺を茹で湯とともに器に入れる。温度はかぎりなく100度に近い。

つまり、釜あげうどんを注文するメリットは、注文すれば100%茹でたての麺が出てくるということになります。

まぁ、そのぶん待ちますけど。

下の写真が普通の温かい麺です。

温かい麺
温かい麺

今度は、釜揚げ麺の写真を出します。

釜あげうどんの麺
釜あげうどんの麺

デンプンの「アルファ化」という現象で、麺のまわりが半透明になっていますよ。

今回は「あつあつ」「ひやひや」「ひやあつ」「あつひや」の4つの違いを紹介しました。

「ひやあつ」と「あつひや」がややこしいので、次のように覚えておいてください。

覚え方

讃岐うどんは「麺」が命なので、最初の「あつ / ひや」が麺を表す!

まぁ、ぶっちゃけ香川県民のわたしも突然聞かれると混乱するんですけどね(笑)。

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